日本の歴史 時代別子育て価値観の変化

歴史的に見る子育ての価値観の違い

先日、2019年の出生数が
90万人割れというニュースを見ました。
ここ数年で10万人も減っているこの現状、
日本これで大丈夫か!?
と不安になるばかり。

出生数、出生率
2019年 89万人
2016年 99万人
1984年 150万人
1973年 210万人(第2次ベビーブーム)
1949年 270万人(第1次ベビーブーム)

近年、
見かけの出生率は上がってはいるが、
実際には
出生数はかなりのスピードで減少の一途をたどっています。
人口が減る代償は、
将来の社会保障費に大きく影響を与えるばかりか、日本の生産力も一気に低下するのではないでしょうか。

ずっ~と昔の日本はどのような日本だったのか?

今日は歴史的な背景と照らし合わせてお話してみたいと思います。

江戸時代は、
少子化になると年貢が減るため藩はそうならないように子どもが減らないように対策をしていました。
しかし、農家からすると

子供が増える=経済的に苦しくなる

という背景があったようです。
そこで農家がとった対策が

間引き、、、

子どもを意図的に減らすという強制技を使っていたようです。

今の常識から考えると信じられませんが、

昔の幕府は、
子どもを捨てるということを法律で罰則を定めていませんでした。

今で言う

「母性愛」という観点は江戸時代にはありませんでした。

江戸時代では、
赤ちゃんを捨てても抵抗のない人は少なくなく、
母親=育児をする ではなく、
母親=大切な働き手 という社会的な一般的価値観に基づくものでした。

母性という言葉自体は
明治時代はおろか大正時代になってから始めて現れてきたものです。

江戸時代では
お母さんが育児をするという考え方はなく、
むしろ
お父さんが育児をするというというのが当たり前の考えだったらしい。

これは
江戸時代の歴史背景にあるが、

江戸時代の後期になると

みんなご存知
寺子屋が全国的に普及をして、
「子を教育しよう!」
という価値観が広まるととともに、

子どもを捨てる行為が
幕府より禁止された。

当時の育児書は、

「父のため」

江戸時代は、家を守ることが大切だったため
父親が長男をしっかりとした家長に育てるというのが当たり前の考え方だった。

それゆえ、
子供たちにはとても厳しく指導をした。

江戸時代の子供のNG行動は?

① 嘘をつくこと(裏表があること)

② 自発的ではない(臆病であること)

③ ワガママであること(傲慢であること)

であった。
親は子に徹底的に教育をした。

親は尊敬たできる人という教育だからこそ効くという考え方で、

父母は子を育てるだけでルールを教えないのは、子を愛していないという考え方が一般的だったという。

「親自身が人に恥じることのない正しい存在であるという発想」

それゆえ
子供が騒いだり、他人に迷惑をかける
問題行動を起こすのは
親の責任、親の恥だと考えて必死に努力したのだという。

近年では、
教育は学校の先生がするものという考え方をもっている人も少なくはないが、
昔の考え方からすると
先生よりも前にまず親という考え方だったのだろう。

では、

いつから「女性が育児をする」という価値観に変化してしまったのか?

これは、
大正時代の都市部から始まり、
昭和から徐々に庶民へ広がった。
第一次世界対戦以降、
景気が良くなったことをきっかけに、多くの会社ができ、サラリーマンが増えた。
1930年では200万人(とてもエリートとされた)のサラリーマンができた。

それと時期共にして
専業主婦という言葉ができた。
戦前の日本では、
男性が働く
女性が家を守る
という考え方に変化していったのだ。

専業主婦は、日本の伝統ではなく、あくまで戦後生まれなのである。

1950年になり
就業人口の半数は農家
女性は専業主婦になれません。
しかし、
1960年以降、
高度経済成長となり日本が急激な好景気となったことを背景に
サラリーマンが急激に増加しました。
好景気となることで働く必要のなくなった
女性が専業を選ぶ人が増えたことが
専業主婦が生まれた歴史的背景である。

こうやって見ると、
歴史的に見て、
誰が育児をするか?誰が働くか?
というのは
その時の社会情勢や価値観により変わるということである。

現代において、出生数が少なくなる理由

①晩婚化が進んだこと
②不景気によるもの
③娯楽が増えたこと
④仕事で家に帰るのが遅い

など現代の歴史的背景に
こういう実態があるからであると言える。

私たちの子供たちが大人になった頃に、
どのような社会になっているのか?
どのような価値観を与えることができるのか?

我々大人の振る舞い、価値観次第なのかもしれない。